山の子

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2011年 05月 23日

その33 <シイタケへの道 4>

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                                       つづく






「何でもやってみたらええんじゃわ」

マスターTさんは何度もおっしゃいました。
私達がシイタケの原木栽培を始めたばかりの頃です。

何もかもが初めてのことなので、何ごとにおいても教科書通りにものごとをすすめようとする私達。
「シイタケ栽培に適した樹は、クヌギやコナラ、ミズナラです」
「ナメコの栽培に適した樹は、ヤマザクラです」
と栽培指南書に書いてあれば、
栽培のために、ヤマザクラを伐らなきゃ
と思う。

でも、
「クヌギでナメコを試してみてもええんじゃ。なんでもやってみたらええ」
とマスターTさん。

・・・・・考えてみれば、山の手入れのために老木を伐採して、その使い道としてキノコのほだ木に・・・・・
というのが、ことの始まりなのです。
伐採したのが栗の木なら、栗の木でシイタケを
コナラしか無いのなら、コナラでナメコを
育ててみても良いのです。
それが案外、土地や気候を合って、上手く行くことだってあるのですから。

また、伐採した樹を解体してのほだ木作り。
持ち上げられる重さのほだ木は、仮伏せ場所や本伏せ場所に運べますが
樹の根元のほうは太くて、50センチくらいに短く切っても持ち上げられるものではありません。
そんな動かせないほどの太いほだ木は、
「その場所にそのまま置いて、植菌したらええ。それでも案外シイタケは出るもんじゃわ」
・・・・・って、<その場所>は日光が結構バシバシ当たる山の斜面なのですが、
「そのままで植菌したらええんじゃ」
と何度もおっしゃるので、
半信半疑ながら、シイタケ菌を打ち込んだ我々。
太いほだ木は、何かに立てかけることも出来ず、地面に寝かせたままです。

が、

確かに、
ほだ場としては、まっっっっったく条件の悪いここ↓でも、そこそこシイタケは採れました。
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本当に、教科書ばかりに頼っていてはいけません。
やってみないと。
自分で考えてみないと。





と言うわけで、徐々に「こうしたらどうかな?」と、自分達なりのやり方を考えるようになっていった我々夫婦。
2009年の春に本伏せしたシイタケのほだ木は、
重くて持ち上げられないものは、もう遠くのほだ場へ運ばず、
解体した場所のそばに適所を探し、↓適当に間伐材にもたれかけさせるだけにして本伏せ完了。
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それでも
2年経った今、
ものすごく良くシイタケは出ています。
2005年の春に、初めてほだ場を作った時には
地面に杭を打ち込んで、その杭に鉄条網を巻いて、そこにほだ木を立てかけて・・・・・
と教科書通りに本伏せした我々。
あの苦労はなんやったんや・・・・・・・・・・?

もちろん、先人があみ出した、プロのやる完璧なやり方を一度体験しておくのは悪くないことでしょう。
その経験から、応用だって生まれるのですから。

プロのやり方と言えば、漫画に描いた本伏せの方法、
あれは本伏せ方法のごくごく一部です。
その土地の地形や気候によって、合ったやり方というのは様々にあると思います。
ちなみに
同じうちの里山でも、別の里山オーナーさんがされているのは、↓こういう伏せ方。ううん、お見事!
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コナラやクヌギ、ミズナラなどの落葉広葉樹は、こうして伐ってシイタケのほだ木などに使っても
切り株から「ひこばえ」が生えて、15年から20年もすれば、また大きな樹に育つ
ということは
山の子の「もやかき」に描きました。
そうやって、利用していれば、コナラやクヌギはいったん伐られて若返り、勢いのある樹になる。
また、
山に人の手を入れ続けることによって、やっかいな竹の繁殖を防ぐことにもなるでしょう。
落葉広葉樹の元気な山が、豊かな日本近海の漁場を作っている
ということは
「海からの贈り物」に描いています。

3月11日の震災で
東日本の太平洋側の漁場は、大きな被害を受けました。
そこに豊かな漁場を取り戻すのは、東日本の山々の力。
なので、
東日本の山に暮らす人達のことも、応援しなくちゃ
と思っています。
山間部の棚田米や、原木栽培のシイタケを、旅先の道の駅とか物産フェアーで見かけたら
是非、買ってあげてください。
私も買います。

この国の国土の69パーセントは山。
山からも、沿岸部を応援して行きたい。





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by t-haruno-2 | 2011-05-23 15:11 | Comments(10)
Commented by veronica-t at 2011-05-23 17:23
椎茸、大好きです。
とくに生の椎茸が大袋に入って売れていると、必ず一度は買っていました。
裏山があり、少し入ればうちの山もあるのに、椎茸を育てるなんて想像すらしなくて
あれは買うものと思い込んでいました。

去年、知人からいただいたほだ木。
うちの山に持って入ろうかとも思いましたが、ふと目に入ったのが
土蔵と石垣の間の、わずか1mの隙間。
湿気もほど良くあって、風もよく通るし、光は木漏れ日があたるだけ。
しかも家の敷地内で、ちょくちょく見に行ける。
ほだ木も土蔵に寄りかからせて立てただけ。
今年、椎茸が数個生えたのを見つけたときは、小躍りしたほど嬉しかったです(笑)
そのとき、これなら無理なく続けれる、年取っても大丈夫と思いました。

やっぱり「山の子」は、私にとって、もっとも分かりやすい参考書です。
Commented by いちしんふたば at 2011-05-23 19:05 x
こんばんわ。

山仕事に限らず、
地域に人が多かったときには
仕事のための仕事があったのだと思います。
当時は無駄というよりも、
大勢の人が生み出す余裕が
別の仕事を生んだのかもしれません。

山から人が減って、
昔は余裕があってできたことを
今も仕事のふりをしてしているかも。

ふりというのが酷いなら、
儲けが少なくても
やらずにはいられない何か。
せつないもの。

単なる省力化の推進では
味気がない。
さじ加減が難しい。
主人公の今後に期待です。
Commented by t-haruno-2 at 2011-05-24 15:42
>veronica-t さん
最近でこそ、ホームセンターでキノコを植菌したほだ木が売られるようになって
キノコ栽培も、
「あ、こうやって作るのかー」と身近になってきましたけど
以前はね。
お米や野菜作りのようには身近じゃない、特別なプロの仕事って感じでしたものね。
作ってみるまでは、自分にも作れるとは、私、とても想像できませんでしたよ。

taeさんちは、敷地が広いから、キノコ栽培のできる場所がたくさんあるでしょうね。
いいなぁ。ウラヤマシイ。
家の庭で作れたら、ホント、一番です。
管理しやすいし、採り頃を逃すことないですもんね。
ぜひ、長く長く、続けてください。シイタケの原木栽培!
Commented by t-haruno-2 at 2011-05-24 15:52
>いちしんふたばさん
「仕事のふり」ですか。
重い言葉ですね。
実際に山の仕事をされているいちしんふたばさんからしか
出てこない言葉でしょう。

昔は、樹を伐るのだって、ノコギリと斧。
ノコギリが登場する前は、斧だけで、直径2メートルの樹だろうとなんだろうと
伐っていたんですよねぇ。
伐った樹を運び出す技術も、ものすごい。
それを思うと、
チェーンソーや刈り払い機に、当たり前のように頼っている自分が後ろめたいことも多いです。
化石燃料使ってるな、とか、楽してるな、とか。
機械に頼りすぎても、何か大事なことが抜け落ちそうで怖いですね。
でも頼らざるを得ない現実。
確かに、さじ加減が難しい。自分の気持ちにどう折り合いを付けるのか、悩ましいですね。
お味噌を手作りしたり、有機農業をやっている方達も、
きっとかなりの葛藤があるんだろうな・・・・・。
Commented by sakko at 2011-05-27 01:23 x
里山の草刈、大変ですが、シイタケ栽培という楽しみもありますね。
野菜作りも同じですが、教科書どうりにはいきませんね
それより、、臨機応変に時と場所を選んだ方がいいですね
harunoさんももうしいたけ作りの達人ですよ
最近は大豊作ですものね。
昨年バスツアーでわらび狩りに行ったとき道の駅で
兵庫県の佐用町(こんな字でよかったかな?)のしいたけが有ったので、水害のことを思い出し、少しでも復興の手伝いにと思ってたくさん買って帰りました。
東日本の物産も道の駅で見つけたら買って帰りたいです
Commented by t-haruno-2 at 2011-05-27 19:25
>sakkoさん
しいたけ作りの達人!?????
あはははは。まさかまさか。
良いほだ木と、ほだ木を置ける適所さえあれば、
きっと誰がやってもあれくらいは出るのでしょう。
でも、ほだ木を置くほだ場に良い場所というのは
やっとわかってきたかな
と思います。

佐用町。
そうですよね。水害で大きな被害が出ましたよね・・・・・。
現地でがれきを片付けるお手伝いは、なかなか出来ないですが
東日本のものを食べて
長く長く、現地を応援したいですよね。
Commented by kids-the-me at 2011-05-29 11:02 x
我家のシイタケ造りですが、今年は断念してしまいました。
ほだ木が手に入らなかったことと、のんびりしている間に
もう季節が次の季節へと進んでしまっていました。

けれども雨ざらしにしている薪や切り株にきのこがたくさん。
来年まで1年間勉強して、自分なりのしいたけ作り、
やれるようになったらいいなと思っています。
やることがたくさんで楽しい毎日を過ごしてます。
Commented by t-haruno-2 at 2011-05-29 16:39
>kids-the-meさん
引越しがあって、この春は忙しかったですものね。
もうやることいっぱいで
あっと言う間に、梅雨入りを迎えたのでは?
でも、雑木林の手入れも、この秋、さらにどんどん進むでしょうし
次のシイタケ作りのシーズンまでには
きっと良いほだ場ができていることでしょうね。
次のシーズンのお楽しみが増えましたね。
きっと、数年後には
一家で食べきれないほどのシイタケができるのでは。
Commented by RyugoH at 2014-01-12 00:21 x
頃合の楢の太い枝を入手できたので、今年は原木栽培をやってみよう!と思って、読み返しました。
ハウス奥すぐに林はあるのですが、獣害にあうので自宅の木の下で栽培してみるつもりです。
やってみる!が大事ですもんね。
前回コメントで書き忘れたんですけど、あのタコ干しってほんとにあるんですか?(笑)
Commented by t-haruno-2 at 2014-01-12 20:29
>RyugoHさん
わぁ~。良いですねぇ。
ぜひぜひ、トライしてください。
楢の枝が手に入った以上、やらなきゃ損ですもんね。
きっとでっかいシイタケが、バンバン出ますよ。
ロケットストーブで焼いて食べたら、さぞ美味しいでしょうね!

タコ干しは、はいあります。
私の父(82歳)は、香川県の山間部の農家の次男なのですが
父が子供だった頃、祖母がああやって大根を干してたそうです。
切り干し大根もやってたけど、あれは干すスペースが必要になりますから、
おそらく大量に干すために、タコ干しもしていたのでしょう。
ただし、
これ、香川県の一部地域の話です。
なにしろ山間部ですのでね。父の生家周辺のみのスタンダードだったかもしれません。


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