2012年 06月 26日

その43 <山を育てる>

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                             つづく






お借りしていた里山の、淡竹(ハチク)の竹林を、「もういやだ。止めよう~~~~~~!」と言いながらも皆伐して
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スッキリ見晴らしも日当たりも良くなった山の斜面を手に入れた私と夫。
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が、
我々には、これからここをどうするか?というプランはまるでありませんでした。
他の里山オーナーさんは、雑木を伐り払った斜面に、何種類もの果樹を植えて果樹園にしたり
ブランコを作ってお孫さんの遊び場にしたり
と、色々なアイディアをお持ちだったのですが
いかんせん私達は、何の計画も無いまま山をお借りし、手入れを始めてしまったので、やるべきことが見当たらなかったのです。

しかし、このまま日当たりの良い斜面を残しておいても、また竹林に戻るだけ。

そんな時、ふと足元を見れば、そこには無数のドングリが落ちている。

竹林の周囲には、かつての薪炭林のなごりで、コナラやクヌギの大木が林立していたのです。

じゃあ、このドングリから苗木を育てて、ここを広葉樹の森にしようか。
イージーですがそう考えました。
畑の堆肥を作るのに広葉樹の落ち葉は役に立ちますし、シイタケのほだ木にだってなる。
戦前の里山の主役コナラとクヌギを、もう一度この斜面に植えよう。



と言うわけで、足元のドングリを大量に拾って帰った我々。
虫に食われて使えない実もありますから、後で水に浮かべて選別しましょう
と、とりあえずマンションの日の当たるベランダにドングリを置いておきました。

そしたら、

まぁ、水に浮かべる必要もありません。
出てくるわ出てくるわ、
ドングリの中にいたコナラゾウムシとかクヌギゾウムシの幼虫が、ワラワラワラワラ這い出してくるではないですか!


山の中の涼しい木陰と違って、マンションの、日の当たるコンクリートの床はムチャクチャ暑かったのでしょうね。
9月か10月頃でしたから。
這い出してきて、次々とベランダの物陰に逃げ込む幼虫たち。
もうちょっと、えらい光景ですよーーーーーー。
そして、
あとに残されたドングリは?と見れば、ほとんどが虫の這い出た穴あり!
虫に食われていないドングリを探す方がむつかしいんだなぁ
と、つくづく思い知ったこの時でした。



その後、なんとか虫食いの無いドングリを見つけ出し、育苗ポットに埋めておいたら、次の春先
無事に芽が出た。

そして20cmくらいにまで成長したところで・・・・・・・・・・・・

私は、無謀にも、その苗木を里山に移植してしまったのです。

ああ、なんてせっかちなんでしょうか!!!!!!
早く山を広葉樹の森にしたい一心だったのですが、しかし普通、苗木って1メートルくらいになってから
移植しますよね。

よって、気の毒な苗木達は、山がこんなになる↓夏になれば
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もう草にうずもれてしまって、どこにいるのやらわかりません。
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毎年、一所懸命、周囲を草刈りしましたが
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3本植えた苗木のうち2本は、数年後、草の中で行方不明となってしまいました。
周囲の草に負けたのか、我々が草刈りの時、うっかり刈り飛ばしてしまったのか・・・・・・。
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さて、
残った1本は、その後けなげに成長を続けましたが、まあいつ見ても葉っぱは虫に食われてボロボロでした。
コナラやクヌギの葉って、こんなに虫に食われるものなのか
とひたすら驚きました。
だって、周囲にあるコナラやクヌギの大木は、枝が頭上はるか彼方にあって
葉っぱの様子など見えません。
遠くから葉っぱが茂っているのを見て、
「たくさんあるな。元気だな」
と思うだけ。
近づいてマジマジと見れば、かなりの葉っぱが虫に食われているものなんでしょうね。



そんなわけで、コナラもクヌギも大量のドングリを実らせますが
その何十パーセントかはゾウムシに食われ
残りの何十パーセントかは、地面に落ちた後、イノシシやネズミに食べられ
やっと発芽したと思えば、雑草に日当たりをさえぎられクズのツルにからまれ締め上げられ
あげく虫に葉を食い荒らされ・・・・・・・・・・・・。

実生で大木まで育つのは、サッカーで言えばトーナメント戦を50試合くらい勝ち抜いていくような
大変なタフさを要求されることなのね

としみじみ思います。

ひこばえから広葉樹を再生する技術が確立されたのも、うなづけますね。
それくらい、一度大木に育った広葉樹というのは、生命力があり、貴重なものだったのでしょう。
そういう技術は、100年先にも残さなきゃ
と思います。
もちろん、他の樹を育てる技術も。


人が山への興味を無くし、利用する技術も絶えた時、
ふと気がつけば、日本の国土の69パーセントを占める山々は、すべて外国資本に買い占められていた
豊富な水を生む水源の山も、すべて外国に所有されていた
なんてことになっているかもしれません。

日本は、今、たまたま水が豊富ですが
世界規模で見れば、多くの地域は水不足。砂漠化は進み、干ばつもあっちこっちで起こっています。
良質で豊富な日本の水は、世界中の大資本から狙われています。
今の時代の山への無関心が、将来のこの国の水不足をまねいたりしたら
100年後の子供達に申し訳がたたない。

ですから、
山の持ち主さんが山を手放さず手入れを続けていけるよう、技術を未来に伝えていけるよう、
みんなで山に関心を持ち続けませんか?
国産の樹を使った木工品を買うとか、
国産のコウゾで作られた和紙を買うとか、
産直市場で、近所の山間部の農家を買い支えるとか、
小さな小さなことでも出来ることはあると思います。






それにしても、山の子・コナラやクヌギは、ゾウムシの攻撃をまぬがれ
ネズミやイノシシのおなかにも納まらず
なんてタフで幸運な子達なのでしょうね。






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by t-haruno-2 | 2012-06-26 16:58 | Comments(15)
Commented by mikeblog at 2012-06-26 18:31
懐かしい小中学校時代の学校林の「下草刈り」を思い出しました。昔は子供の頃から山の木を育てて将来に備える勉強もしていたのですね。今はどうでしょうか。地元産の木で家を建てましょう、などという呼びかけのポスターも見ますが外国産の材木が増えているのでしょうね。家だって洋風建築が多いし、ちょっと残念です。
草刈りの前に残すものにしるしをを付けておくのは生活の知恵ですね。後の仕事も捗るしー。私は山に行くと頂上で記念に小さい石を拾ってくるのが昔からの習慣なんですが、ドングリを拾ってきて鉢に蒔いてあるのがあります。知らないうちにしっかりと木になって鉢の底から根が出て取れなくなっています。鉢を壊してあげようかな。庭にドングリの木が生えてるなんてね。最初は盆栽のつもりだったんですけどね。
こちらのおばあちゃんは何歳でしょうか。鎌で藪を切り開くなんて足腰もお丈夫でうらやましいです。ますますお元気でお孫さん達にたくさん大事なことを教えてあげてくださいね。
Commented by kuroo at 2012-06-26 19:33 x
harunoさん こんにちは

すっかりご無沙汰してしまいましたが、お忙しそうでなによりです。
目的を持った山作りというのは難しいですね。
ボランティアでいろいろやりましたが、所詮お手伝いしかできませんでした。

今回、秋田で200年生の杉林を見て来ました。
直径1メートル以上、樹高50メートルという杉が林になっています。
本当にすばらしい杉林でした。
神社などで1本か2本の太い杉はありますが、林になっているのは言葉にもなりません。
佐竹藩の時代から営々九代に渡って守られて来た林です。
明確な目的がなければ出来ないことで、日本の誇りとでも言うべき光景でした。
200年先を考えて山を作る。言うことは出来ても実際にその現場を見ると言葉を失います。
日本人はすごいですよ。
Commented by buribushi at 2012-06-26 22:06
昔、養家にヒノキ山があり、養父と見回りに行っていたのを思い出しました。養父の亡くなった後、養母が一人で全部相続し・・・・身内の手にかかって失ってしまいました。
山は私のものになったこともなく、育てたといえるほど関わったこともなく、遠くなりました。
健康な山育てを見せて貰ったら、随分久しぶりに思い出して仕舞いました。
このばあちゃんお幾つくらいかなあ。私(75)より上?下?
魚沼の家には、何か所か薪山があって、伐って数年するとヒコバエが育っているのをまた伐り、そうして順に山を廻るのでした。薪(シバ木)を背負って山から出す、私は子どもで一把だけ背負って。
子どもや孫の全然知らない世界で、私にもしはるのさんのような力があったら描き残したいものを。
Commented by いちしんふたば at 2012-06-27 03:21 x
こんにちわ。
なつかしい里山ですね。

砂漠化が進み山林資源のない国から見ると
前線と台風の通路になっている日本は
ほおっておいても森林ができるうらやましい国。

石油製品、化石燃料、に代わるものが山にはあるのに
それを利用する庶民の技術力がなくなった。
林さんのひこばえの育て方に
クヌギコナラの自然の要素が加わって
どんな森になるのか。
実生で樹木が育つのは確かにむずかしいです。
伐採後放置しておくとコナラの2次林ができると聞きますが、
それは、その条件の整った地域の話のようです。
それとも勝手に2次林ができたのではなく、
人知れず手入れをしていた人がいたのかもしれません。
今は温暖化で森の向かう方向は昔と違うかもしれません。

楽しい森を作りたい。
でもわからないことだらけですね。
Commented by t-haruno-2 at 2012-06-27 19:55
>mikeblogさん
薪や炭が身近にあった時代には、子供も、山を使う技術を折に触れて学ぶチャンスがあったのですねぇ。
今は、学校で田植え、稲刈りの体験は結構ありそうですが
山に入るというのは・・・・・・植林イベントくらい?子供にとっては。
でも、あの植林イベントは、きちんと片付けられた山に、用意された苗木を植えるだけで
なんの経験にもならない気がしますし
いよいよ山は遠くになりにけり、なのでしょうね。悲しいことですが。

ところで、そのドングリは根性ドングリですね。
コナラ?クヌギ?アベマキ?アラカシ?マテバシイ?
なんの樹でしょうね。
コナラやクヌギなら、秋の紅葉が綺麗で良いでしょうねー。
そうそう、
ばあちゃんは70代の前半です。
山間部へ行くと90近い方が、あぜの草刈りなどしてますものね。
なので、このばあちゃんも、まだまだ老け込むには早そうです。
Commented by t-haruno-2 at 2012-06-27 20:07
>kurooさん
こんばんは。お久しぶりです。
こちらこそ、ご無沙汰しておりました!

ところで、直径1メートル以上の杉の林、ですか。
うう~~~~~~ん!
TVで見た、メタセコイアの森を一瞬想像しましたが、きっと全然雰囲気が違うでしょうね。
人が200年先を見据えて育ててきた杉の森には、おそらく圧倒されるような静謐な美しさがあることでしょう。
その場に立ったら、私もきっと言葉なんて出て来ないでしょうね?

昔のように、山の使い道がハッキリしていた時代と違って
今は、里山の整備と言っても、どんな山にしたいのか
目的がつかみにくいですよね。
林ばあちゃんも、後継者の問題も抱えて、ウロウロと迷いながら前に進んでおります。
Commented by t-haruno-2 at 2012-06-27 20:24
>buribushiさん
ばあちゃんは70代前半です。
子供の頃、大人について日常的に山に入って、小さな手でお手伝いをした世代ですね。
burubushiさんも、そういう記憶がおありですか。
そうそう、順繰りに樹を伐って、山を使っていくのですよね。
今流行の「循環型社会」なんて言葉、日本人の山の使い方を知れば知るほど「しゃらくさい!」と思ってしまいます。

私がこういうものを描いても、果たしてどれほどのことがどれだけの人に伝わっているのか・・・・・・。
もちろん、たった一人でも、心を動かし、生活の中の何かが変わったという人がいてくれたら、大感謝なのですが
それでも、自己満足しているだけかな、という思いはいつもあります。
それより、やはり、人に直接伝えること。これにかなうものは無いですよね。
ブログで、学校へ短歌のお話をしに行ってらっしゃるという記事を読みました。
直接伝えること以上に、人の心に届くものはありません。素晴らしい活動ですね。

↓へ続きます。
Commented by t-haruno-2 at 2012-06-27 20:25
>buribushiさん
山古志で活躍されているお孫さんにも、是非ぜひ、buribushiさんの山の記憶を伝えてあげてください。
地元の竹を使って竹細工をしている方ですもの。山の手入れの大切さは、よくわかってらっしゃるのじゃないかな。

Commented by t-haruno-2 at 2012-06-27 20:38
>いちしんふたばさん
こんばんは。
昔のように、皆が同じような山の育て方、使い方をしていた時代と違って
今は、100年後の自分の山の姿をイメージするのが難しいですよね。
杉やヒノキは、やはり将来的にはあった方がいいのか、
燃料を自給するのなら、コナラとクヌギは必要だろうし、
自分が使ってハッピーな山って、何?
と、本当にこんがらがってきます。

ところで、コナラの2次林。
こちらでは、やはり人の手を入れないと作れないかな。
ほうっておくと、椿やカシ、シイなどの常緑樹が、どうしても勝ってしまいます。
あったかいんでしょうね。やっぱり。
いちしんふたばさんのところとは、だいぶ植生も違うでしょうね?
Commented by sakko at 2012-06-30 01:09 x
100年先、この国はどうなっているのかな
外国資本に買い占められて
外国の水を輸入して飲んでいる・・・
山は宝の山だったのに
どうして・・・・・
わが町は奈良盆地の真ん中で山の暮らしはあまりわかりませんが
後をつく人が無く(子どもは街に出てしまって)
荒れた田畑が目立ちます
どうしてこんなことになってしまったのでしょう
どんぐりを拾ったこと、カブトムシを取ったこと
息子にはそんな思い出がありますが
孫にはもうそんな思いでも無い暮らしになりました
「国土を守る」そんな教育が必要ですね
りんばあちゃんが頑張っているように
sakkoも頑張ります。一寸年上ですが・・・・・。
Commented by t-haruno-2 at 2012-07-01 10:06
>sakkoさん
本当ですね。
山も緑も水も、あって当たり前・・・・・・
ではないということが、
昔は、農作業の手伝いや、柴集めや、山での遊びを通して
教えられるまでもなく身にしみていたのだろうなぁ
と思います。
今は、おっしゃるとおり教育が必要なのでしょうね。
Cちゃんやaki君がsakkoさんの果樹園のお手伝いをしていることは、
すごく良い経験になっているでしょうね!
今は、もしかしたら、それに気がつかないままお手伝いしているかもしれませんが
10年先、15年先
きっと大きな経験をしてきたと感謝するでしょう。
sakkoさん、いろいろなことを次の世代に伝えてくださって、本当にありがとうございます。
Commented by issyo.k at 2012-07-16 03:21 x
ヤブカンゾウを調べていて、貴ブログを発見。残念ながら、私は山を持っていない素人ですが、
日本の山を守り、未来の子供たちに伝えていく知識と経験をお持ちの皆さんに敬意を表します。
これから、ゆっくり読ませていただきます。有難うございます。
Commented by t-haruno-2 at 2012-07-16 16:17
>issyo.kさん
はじめまして。コメントをありがとうございました。
私も素人ですし、持ち山も無いのです。
でも、100年後も、日本の里山が利用され続けていることを願ってやみません。
本当に山は宝の山ですものね。
読んでくださって、本当にありがとうございます。
Commented by robin at 2012-07-25 09:05 x
harunoさん、はじめまして。
街の騒音♪を風やせせらぎにみたてながらいると、自然からいただける実感はこの上ない喜びです♪

ここにたどりつき、夫の好きな椎茸栽培のこと、どんぐりのことから、
ひさしぶりにどんどんと惹きこまれ、嬉しくてご挨拶させていただきました。

我が家のちっちゃな庭にも、拾ってきた栗や落ちた柑橘の種、
鳥が運んできた未だ正体不明木が苗木になるのを見て楽しんでいます。

いつか手に負えないくらい大きくなるんだろうか・・・。
もう10年くらいたつのに実はちっともつけてくれませんけど(笑)

山の木々がうっそうとするまでに、こんなにたいへんな物語があったのですね。
あんなにたくさんのどんぐりなのにとは思っていましたが。

漫画仕立てのおかげで、その場にご一緒させていただけてる錯覚も嬉しい♪です。
楽しみながら学ばせていただきますので、リンクさせてください。m(_ _)m

Commented by t-haruno-2 at 2012-07-25 19:46
>robinさん
はじめまして。
コメントをありがとうございました。

自然に生えてきた苗木の育つのを見守る心のゆとりって
素晴らしいですね。
苗木を買って来て植えるのと違って、大きくなるのにも時間がかかるでしょう?
最初は「育っているのかな?」と思うくらい、ゆっくりゆっくり成長しているでしょうね。
そして、いつか気がつけば人の背丈を追い越していて。
木登りが出来る大きな樹になる日も、来るのでしょうね。
柑橘類は、特に実が成るまでが長~~~~~~いので
ちょっとじれったいことでしょう。
でも、先が楽しみですよねぇ。

リンクはフリーですので、どうぞ、どうぞ。
ありがとうございます。
読んでいただけて、とてもとても嬉しいです。


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