2009年 10月 19日
つづく 2003年に、1区画300坪、20区画で始まった私達の里山の整備。 翌2004年の秋、我らが里山のトップニュースは ある区画でマツタケが出た! ということでした。 その区画には、アカマツの林があり、 「整備をすれば、マツタケが出るんと違うか~~~」 と、最初から、里山オーナーの間では言われていた場所だったのです。 とは言え、 「本当に出る」とは、皆、思っていなかったかも??? なにしろ、そのアカマツの林も、 里山の他の部分と同じで、 竹や雑木に周囲をビッシリと覆われて さながら<ジャングルに埋もれたアンコールワット>という状態だったのですから。 けれども、その区画を借りた里山オーナーさんは、熱心に山に通い、 モウソウチクの藪を伐り払い、 雑木を伐り、ツタを払い、地面に数十センチも積もった落ち葉もかき、 一生懸命手入れをされました。 結果、 喜ばれたのは、里山の持ち主マスターTさんです。 この山でマツタケを見たのは、なんと5年ぶりだったとか。 里山を人に貸すという、大変やっかいな計画を受け入れて、でも、1年半で、その結果が出たわけです! 本当に良かった。 マツタケは、アカマツの根が無いと発生しない、不思議なキノコです。 そして、アカマツ同様、あまり栄養が無い場所でも生きていけるという性質を持っています。 昔の里山は、<貧栄養>という意味では、 アカマツにとってもマツタケにとっても、 生存競争の相手も少ない、とっても住みやすい場所だったんだろうな と思います。 でも、落ち葉が深く積もった、栄養豊かな今の里山は、 他の樹、他の菌にとっても住み良い所。 アカマツやマツタケは、強い競争相手に負けて、里山から姿を消しつつある、と言われているのです。 ですから、マツタケ山を復活させるには、 とにかく、昔の里山に戻すこと。 ① アカマツの林があるなら、まず、アカマツの周囲の竹や雑木を伐り払い、 アカマツ林の中、地面に木漏れ日が当たるような状態にします。 直射日光が当たりすぎてもいけないので、アカマツの枝から陽がもれる・・・くらいに。 ② それから、地面に積もった落ち葉をかく。 分厚い落ち葉の布団があると、マツタケが顔を出せませんから、 地面に、うっすらと落ち葉が散らばっている、というくらいにする。 山にアカマツが無い場合は、雑木や竹を伐り払い、落ち葉をかいて、さら地を作り、 アカマツの苗木を植えるか、アカマツの発芽を待つことになりますが、 よく日が当たり、<貧栄養>の場所を好む樹木ですから、手入れを続けて、その状態をキープするのが大切。 また、マツタケは古いアカマツ林にしか出ないそうですから、 15年~20年は、山の手入れを続ける覚悟ではじめましょう。 樹木が相手の山の手入れは、気長~~~に、気長~~~に、が一番です。 さて、こうして準備万端整いましたら、 その辺をフワフワと漂っているマツタケ菌が、アカマツの根にたどり着くのを待ちます。 上記のように、私達の里山では、手入れを始めて1年半で結果が出たわけですから マツタケ菌も、共生相手を求めて、常に山の中をウロウロしているんでしょうね?きっと。 ですから、青子も、 これから大変な作業が待ってはいるものの なに、古いアカマツ林はあるのだし、 根性出して、やりとげて欲しいものだ、と思っています。 昔の里山では、大量に採れて、さしてありがたみが無かっただろうマツタケ。 (他に、もっと美味しいキノコが、いくらでも採れたでしょうから) 時代が変わって、今は異様なまでの高級品になってしまっていますが、 マツタケ自体は、手入れをされたアカマツ林の贈り物。 ですから、 あっちで、こっちで、マツタケ山が復活する日を願っています。 <追記> kurooさんのお話では、コメツガの林にも、マツタケは出るそうです。 コメツガも、痩せた土地で生きられる樹。 マツタケ菌も、色んな共生相手を見つけ出しているのですね! コメツガという樹が、もっともっと広い範囲に分布する樹だったならば・・・・・・、 マツタケは、今頃、「コメツガタケ」と呼ばれていたのかも??? このブログ上の漫画、写真、文章の著作権は、すべて高橋はるのにあります。 無断での転載、転用は、ご遠慮願います。
by t-haruno-2
| 2009-10-19 16:18
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